病院マーケティング
GoogleのAIオーバービュー時代、病院広告はどう変わるか(病院マーケター必読)
広告費を増やしたのに、反応は思うように増えない。病院のマーケティングを担当していると、クリック単価に加えて、検索画面がどう変わり、その先でどんな説明を読めるかも気になるところです。
WordStreamの2025年ベンチマークでは、米国の検索広告16,446キャンペーンを対象に、23業種中13業種で見込み客獲得単価が上昇し、クリック単価の代表値は5.26米ドルと報告されています。日本や韓国の医院の現在単価ではなく、2024年4月~2025年3月の標本です。「平均」と呼ぶ値も、同資料では外れ値を抑える中央値として説明されています。
原文が挙げるQ4 2025の広告支出9%増・クリック4%増は、今回、元の集計を確認できませんでした。同じ対象ならクリック単価の変化は1.09÷1.04で約4.8%増となり、差の5ポイントがそのまま単価上昇率になる計算ではありません。
AIによる概要(AI Overviews、以下AIO)も見ておきたい変化の一つです。ただし、自院の反応減の原因をそれだけで決めることはできません。原文の四つの変化と対策を、データが示す範囲と、医院で考えたいことに分けて整理します。日本語版の確認日は2026年11月2日です。
1. 検索結果のどこに、広告とAIOが表示されるか
画面の並びは、検索ごとに変わる
従来の検索画面を単純化すると、次のような並びが考えられます。
広告
地域の地図・医院情報
通常の検索結果
※表示件数や順番は検索によって異なる
AIOがある場合も、固定された一種類の画面になるわけではありません。
AIOと参照リンク
広告がその上・下に表示される場合がある
地域の地図・通常の検索結果など
※対象分野や地域等によって異なり、この順に固定されない
Googleの現行説明も、広告はAIOの上や下に出る場合があり、表示の形を継続的に変更するとしています。すべての広告が必ず下へ押し出されるわけではありません。
クリック率の観測から分かること
Seer Interactiveの分析は、2024年6月~2025年9月、42組織・3,119の情報収集・教育目的の検索語を対象に、自然検索2,510万表示と広告110万表示を扱っています。集計対象の月平均クリック率で、報告の公開日は2025年11月4日です。
- AIOがある検索語の広告CTRは19.70%から6.34%へ、約68%低下と報告。
- 2025年7月には約11%から約3%への月次の低下も紹介されています。ただし、これを商業検索全体や韓国の医院に共通する結果とはしません。
「江南 LASIK」「インプラント 費用」「ボトックス 価格」といった自院に関係する語でも、実際の表示と実績を見たいところです。調査対象が情報収集目的の検索であることを忘れず、すべての予約直前の語に同じ変化が起きるとは扱いません。
2. AIOの中の広告には、提供範囲と分野の条件がある
広告がAIOの周囲に出ることと、要約の中に出ることは分けて考えます。原文で紹介した導入当初の経緯にかかわらず、計画するときには現在の国・地域、言語、業種の条件が必要です。
Googleの専用ヘルプは、検索とAIOの内容に商業的な関連性があり、関連する広告を出せる場合に表示すると説明しています。すべての質問で要約内の広告枠が生まれるわけではありません。
医院の広告で、特に確認したいこと
AIO広告の専用ヘルプには、英語・指定国での提供に加え、医療を含むセンシティブな分野ではAIO内広告を表示しない旨が記されています。通常の検索広告や、AIOの上・下の広告とは区別が必要です。韓国語の国内医院広告が要約内に自動出稿される前提では計画しません。
また、有料広告と自然なAI回答は別です。Googleは、広告購入が自然なAI回答に影響せず、自然に引用されるかどうかも広告オークションの参加資格には影響しないと説明しています。
Seerの要約は、引用された場合とされない場合に、自然検索35%、広告91%というクリック関連指標の差を紹介しています。ただし、同じ予算で予約や売上が91%増えたという比較実験ではありません。引用、ブランドの強さ、クリック率などに共通する要因がある可能性も、同資料は挙げています。
引用の有無だけで、広告予算の効果を決めない
「引用されない医院は広告費を2倍使っても追いつけない」という結論は、この分析からは導けません。自院の検索語から、広告、説明ページ、問い合わせ、来院へと進む間に、何が起きているかを記録で確かめます。
3. 韓国の医療広告の規定も、内容と媒体ごとに確認する
AI向けの情報を用意するときも、韓国の医療広告に関する規定を別に確認します。ここで扱う法制度は韓国のものです。
事前審査の対象と、過去の点検期間
原文には「2024年12月の法改正でSNSが対象に入り、2024年12月5日~2025年3月31日に未審査広告366件を摘発」とあります。しかし、現行施行令第24条のSNSに関する履歴は2018年9月28日の改正で、366件の公式発表は2023年12月11日から約2か月の集中点検です。日本語版では時点と対象を訂正しています。
409広告中366広告に違法性や疑いが強いとして対応を求めたもので、未審査広告だけの集計ではありません。疑義の内容は計506項目。体験談を装う内容183項目の31.7%は原発表にも計算上の不整合があり、比率の確定は保留します。割引・免除135項目26.7%、虚偽・誇張126項目24.9%は、この506項目との比率です。
法定の罰則と、個別の処分を分ける
医療法第56条第1~3項違反には、第89条の1年以下の懲役または1,000万ウォン以下の罰金。第27条第3・4項等の違反には、第88条の3年以下の懲役または3,000万ウォン以下の罰金が規定されています。営利目的や例外の条件もあり、個別の刑や行政処分の期間が一律に決まるわけではありません。
広告の変更を、確認できる手順で進める
すべてのブログ、SNS、動画が一律に事前審査対象になるわけではありません。広告の内容、指定媒体、基本情報の例外等を確認します。審査が必要な広告は、実際に出す内容やリンク先を含めた範囲を確かめ、変更時にも承認内容との一致を見ます。必要な審査を省いて、短期間のテストを優先することは勧めません。
4. クリック数と、問い合わせ・来院の割合を分けて見る
WordStreamの2025年集計では、23業種中15業種、約65%でコンバージョン率が上がっています。ただし、対象の「コンバージョン」が何かは医院の実来院とは別で、AIOが見込みの低い人だけを除いたことを実証した結果でもありません。
少ないクリックでも問い合わせにつながる場合はあります。一方で、計測方法、検索語、予約枠、競合などで数値は変わります。CTRやコンバージョン率だけでなく、実際の予約・来院と費用の関係も確認します。
担当者が、次の判断に使いたい比較
| 従来の考え方の例 | 見直すときの判断 |
|---|---|
| 広告費を増やして流入を増やす | 費用・検索表示・問い合わせ・実来院を確認し、広告と情報整備の配分を検討 |
| 情報型と商業型の両方に入札 | 意図別に実績と必要な説明を確認。情報型の一律停止はしない |
| ブログ・SNSの広告を頻繁に変更 | 根拠と必要な審査を確認し、承認範囲に沿って改善 |
| 顧客数=広告費÷単価 | 患者数やROIをAI引用率との掛け算だけで表せない。実費用と確認済みの成果で評価 |
5. 今から見直せる四つの作業
① 情報収集と、予約・比較の検索を分けて見る
- 情報収集の例:「LASIKの副作用」「インプラントの種類」。説明ページの充実と、広告を出す意味を実績で検討します。情報型は常に広告を止める、とは決めません。
- 比較・予約の例:「江南 LASIK」「[医院名]予約」。広告と自然検索で、正しい案内に進めるかを確認します。掲載やブランド保護を無条件に保証するものではありません。
② 広告と説明ページの、根拠を確認する
「江南1位」といった表現なら、根拠、比較の対象、広告上の規定を確認します。原文の代案「自院LASIK5,000件、平均回復2日」も、実資料なしでは使えません。数字に替えれば審査を通るという意味ではありません。
③ FAQや診療ガイドを、広告の行き先としても検討する
患者さんの疑問に答えるページは、広告から読んだときにも役立つかもしれません。ただし、AEO用のページだから、医療広告の審査やGoogleの広告審査にも自動で通るわけではありません。検索意図、表示内容、必要な審査や媒体のポリシーをそれぞれ確認します。
④ 地図と医院案内の基本情報をそろえる
Googleビジネスプロフィール、NAVERプレイスなど、実際に掲載する場所の名称、住所、診療時間、予約方法を整えます。GoogleのAI機能の案内も、ビジネス情報を最新に保つことを挙げています。ただし、特定のサービスだけをAIが必ず参照するという意味ではありません。
広告と情報ページを一緒に見直す場合は、BlinkAdへご相談ください。単価の推移、検索やAI回答での見え方、説明と広告表現など、確認する範囲をご案内します。今の設定を確認せずに予算変更や、AI引用・審査通過の保証を行うものではありません。
参考資料
- Seer Interactive「AIO Impact on Google CTR: September 2025 Update」。公開2025年11月4日、情報収集・教育目的の検索標本。指標の差と因果を区別。
- Search Engine Landの2025年7月CTRに関する記事。原文の参考文献。本文はSeerの一次資料を優先。
- WordStreamの2025年検索広告ベンチマーク。米国16,446キャンペーン、2024年4月~2025年3月、米ドル。現在の韓国の単価ではありません。
- Google AdsのAIO広告専用ヘルプ、AI検索体験の広告に関する現行案内。国・言語・医療分野・表示位置と、有料広告/自然回答の区別。
- TechCrunch「Google brings ads to AI Overviews」2024年10月3日。原文の導入時の参考文献。現在の対象範囲は公式ヘルプを優先。
- 保健福祉部の2024年3月11日発表。公式転載と第57条、施行令第24条、第88・89条を確認。
- ALM CorpのQ4 2025ベンチマークとして原文に記載。9%/4%の原集計は今回未確認。5ポイントをCPC上昇率には置き換えない。
- AdExpertの2025年広告費に関する解説。原文の参考文献。今回全文未確認。
- InteradのAI概要広告に関する解説。原文の参考文献。
- The MiilkのAI概要広告に関する解説。原文の参考文献。今回全文未確認。
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