外国人マーケティング
外国人観光客の統計と推移、2026年に外国人マーケティングが重要な理由
データの基準日:2026年10月28日。日本語版の確認日:2026年10月31日。
最新の集計は、韓国観光公社「韓国観光データラボ」の2026年9月韓国観光統計です。3月・第1四半期の数字も、過去の推移として残しています。ここでいう訪韓外来客は統計上の入国者数で、観光目的だけの人数や、重複を除いた店舗の見込み客数とは異なります。
訪韓外国人の増加は、観光業だけのニュースでしょうか。店舗やブランドを運営していると、人数が増えたという話よりも「その人たちが自分たちの店を見つけられるか」が気になるはずです。
どの国・地域から来る人が多く、ソウルで過ごすのか、地方にも足を延ばすのか。それによって、用意したい言語や案内も変わります。美容、医療、小売、宿泊、体験施設、展示、公演、地域ブランド、ポップアップストア、商業エリアや自治体の取り組みにも関わる話です。
人数の統計を、そのまま売上予測に置き換えることはできません。ただ、検索、地図、レビュー、予約、決済を外国人のお客様の目線で見直すきっかけにはなります。今回は数字の時点を分けながら、その意味を整理してみます。
最新統計の更新:2026年10月28日
韓国観光公社が10月28日に公表した資料では、2026年1~9月の訪韓外来客は17,110,477人。前年同期比21.5%増でした。9月単月は2,062,042人で、前年同月比21.1%増です。公表後に修正される可能性もあります。韓国観光公社・2026年9月韓国観光統計
1~9月の観光分野における外国人のカード消費額は15兆9,416億ウォンで、前年同期比47.7%増と発表されています。10月22日付の文化体育観光部の発表にあるカード集計であり、現金を含む消費総額でも、すべての店舗の売上増加率でもありません。文化体育観光部・1~9月の観光動向
以下の3月・第1四半期と2024年の外国人患者の実績は、それぞれの時点の資料としてお読みください。
2026年3月の訪韓外来客は204万人を超えました
韓国観光公社が2026年4月30日に公表した3月統計のエクセルでは、2026年3月の訪韓外来客の合計は2,045,992人でした。
2025年3月の1,614,596人より26.7%多く、感染症流行前の2019年3月、1,535,641人と比べても33.2%増えています。
2026年1~3月の合計は4,743,122人。2025年同期の3,870,247人に対し、22.6%増でした。
年間でも、2019年の17,502,756人に対し、2024年は16,369,629人、2025年は18,936,562人。2025年には2019年を上回っています。
この並びからは、回復後も増加が続いている様子を読み取れます。ただし、この先も同じ伸び率が続くという予測や、個々の商圏の需要を示す数字ではありません。
公表時点の違う数字を混ぜずに読む
4月16日の文化体育観光部の発表では、第1四半期が約476万人、3月が約209万人とされています。韓国語原文にある「3月約206万人」は、今回確認した同発表の記載と一致しないため、日本語版では約209万人に訂正しました。
一方、4月30日公表の韓国観光公社のエクセルでは、第1四半期4,743,122人、3月2,045,992人です。先行発表と後の月次公表では値が異なります。以下の第1四半期・3月の国・地域別の数字は、4月30日の公表資料にそろえています。
9月までの最新集計と、4月時点の資料を分けておくと、同じ期間の数字が違って見える理由も確認しやすくなります。
第1四半期は中国、日本、台湾からの入国が多い
2026年第1四半期の国・地域別の人数は、次のとおりです。
- 中国:1,424,326人
- 日本:939,975人
- 台湾:542,670人
3月単月では、中国501,060人、日本481,789人、台湾192,138人。ベトナム74,859人、フィリピン70,120人、香港59,364人でした。
この数字を見て、すべての店舗が同じ順番で言語を増やす必要はありません。同じ「外国人のお客様」でも、使う言語や情報の探し方は人によって異なります。国籍だけで利用サービスを決めつけず、実際の問い合わせや来店時の質問も見ながら、優先するお客様を考えてみてください。
英語の案内を一つ置くところから、必要に応じて日本語、中国語などの情報を補っていく。メニューや施術の説明、地図、予約方法まで、相手が理解できるかを確かめることが外国人マーケティングの出発点です。
外国人のお客様を迎える準備は、ソウル以外でも
4月16日の発表では、2026年第1四半期に地方空港から入国した外来客が前年同期比49.7%増加。地方訪問率は34.5%で、前年から3.2ポイント上昇しています。
済州、釜山、仁川など主要寄港地へのクルーズ船の入港は338隻で、前年同期比52.9%増でした。これは船の隻数であり、乗客数や来店客数とは分けて見る必要があります。
明洞、弘大、江南、聖水といった有名な商圏に加え、地方空港や寄港地から、どこへ移動する人がいるのかも考えたいところです。
経営者の方なら「外国人が多い場所」の順位だけでなく、その場所から自店に来られるか、提供している商品や体験と旅行の目的が合うかまで見たいですよね。なお、特定の検索語が使われる回数まで、今回の入国統計から分かるわけではありません。
人数と一緒に、消費の指標も見る
第1四半期については、外国人のカード消費額が前年同期比23.0%増、訪韓旅行の総合満足度が90.8点と発表されています。冒頭の1~9月のカード消費額とは集計期間が違います。
人数と消費の動きを併せて見ると、市場の様子を考えやすくなります。とはいえ、カード消費の増加がそのまま自店の売上になるわけではありません。
探している情報が見つからない、価格や予約方法が分からない、決済の案内が曖昧。そんな理由で候補から外れていないかも見ておきましょう。統計を読んだ後に、実際のお客様がどこで迷うかまで確かめてみることを私たちは勧めています。
医療観光とKビューティーは、別の統計からも見える
保健福祉部によると、2024年に韓国を訪れた外国人患者は約117万人。2023年の約61万人から93.2%増え、2009年の外国人患者誘致事業開始後で過去最多となりました。旅行者の入国統計とは対象や集計方法が異なります。
診療科別では皮膚科が約70万5,000人、56.6%。美容外科11.4%、内科系10.0%、健診センター4.5%と続きます。同じ患者が複数の診療科を受診すると、科別の集計ではそれぞれに数えられるため、約117万人をそのまま分割した比率ではありません。
外国人のお客様が韓国で検討するのは、観光名所だけではない。そのことを考える資料の一つです。
医療機関、美容サービス、化粧品、セレクトショップ、ショールーム、宿泊、体験施設なども、必要な情報を外国語で伝える意味があります。医療の場合は、外国人患者誘致の登録や医療広告の規定も併せて確認する必要があります。
訪問者が増えても、自分の店は静かなままなら
街には外国人が増えたのに、自店への反応は変わらない。そんなときに私たちが確認を勧めるのは、次の四つです。売上が伸びない原因を、この四つだけで断定するものではありません。
一つ目は、お客様が探す場所に情報があるか。Google検索・マップ、Appleマップ、Instagram、TikTok、旅行サービス、ブログ、コミュニティなど、候補はさまざまです。NAVER以外にも、自店のお客様が使う場所を確認してみましょう。
二つ目は、見つけた情報を理解できるか。店名、住所、営業時間、予約方法、価格帯、決済手段、タックスリファンドの対象条件、待ち方、注意点が伝わるでしょうか。
三つ目は、訪問前の不安を解く情報があるか。レビューの数や言語だけで信頼が決まるわけではありませんが、実際の利用者が何を評価し、何に困ったかは参考になります。レビューをお願いする場合も、実体験に基づく自由な投稿を案内し、好意的な内容や特定の言語を強制しないようにします。
四つ目は、見つけた後の予約や来店で迷わないか。地図の位置、連絡先、予約の手順、利用できる決済方法を、実際の運営と照らし合わせてみてください。
外国人マーケティングは、広告を出した後の案内まで含めて考えたい仕事です。
外国人のお客様を迎える前に確認したいこと
大きなキャンペーンを始める前に、次の項目を見ておくと、準備する順番が分かりやすくなります。
- Googleマップとビジネスプロフィールの情報は正確か
- 英語、日本語、中国語など、優先する言語で基本情報が読めるか
- 訪問方法がすぐ分かる案内ページがあるか
- 予約、決済、タックスリファンドの条件、待ち方、営業時間は明確か
- 利用者が希望すれば、実体験のレビューを自由に投稿できるか
- 想定するお客様の質問に答えるキーワードや内容があるか
- 観光シーズン、イベント、航空便、クルーズ、地域の祭りに合わせて、関連する案内を更新しているか
翻訳したページが存在するかに加え、渡航前、到着後、近くで探しているとき、比較や予約のときに、必要な説明を読めるか。そこまで一度たどってみると、不足している部分が見えてきます。
外国人観光客の増加を、自店を見直すきっかけに
2025年の訪韓外来客は2019年を超え、2026年1~9月も前年同期から増えています。過去の推移として見ても、第1四半期22.6%増、3月204万人超という動きがありました。
ただ、お客様が増えたときに、すべての事業者に同じ機会が届くとは限りません。自店を見つけられるか。見つけた内容を理解できるか。そのうえで、安心して問い合わせや予約を検討できるか。
だからこそ、外国人マーケティングの準備が大切になります。市場の数字を眺めるところから、一人のお客様が来店するまでを見直してみませんか。
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参考資料
- 韓国観光公社「2026年3月韓国観光統計」2026年4月30日公表。月次資料の一覧:韓国観光データラボ
- 韓国観光公社・3月公表エクセル。本文の3月・第1四半期・年間推移はこの公表時点で統一:統計原本
- 文化体育観光部「第1四半期の外国人観光客約476万人、過去最多」2026年4月16日。3月約209万人は同発表の先行値:政策ブリーフィング
- 保健福祉部「2024年外国人患者約117万人」2025年4月2日:外国人患者誘致実績
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